世界はシステムで動く ー いま起きていることの本質をつかむ考え方(ドネラ・H・メドウズ)

 

世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え方

世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え方

 

 システムは部分が集合して構成される。その機能や目的により、システムの挙動は決定していく。

 

部分の集合という考え方から生まれた「システム」という構造のについて、基礎的な点から論じている本。システムの「ストック、フロー、動的な均衡状態」といったその構成要素の捉え方や、「フィードバック・ループ」というシステムの動態についての特徴についての説明の概念の視点は本書の中で繰り返し登場する。システム自体は世界中に普遍的に存在するため、本書の内容は具体例のレベルに落とし込んで理解することは比較的容易ではある。

 

ただ、システムの落とし穴や、システムの改善の考え方など、個々の事例として理解はできるのだが、これで全てなのだろうか?といった疑問が残る。本書の内容自体は基礎的に書いてあるために単純化されたモデルの中での議論になっているが、現実世界のシステムをそこまで単純化して考えて、解決策へ導く事は可能なのだろうか。

 

本書はそういった点で、難しい。自己啓発といったわかりやすい書籍とは異なり、あくまで「システム学」の学術書に近い印象を受ける。注目されている分野であり、教養の一つとして身につけるには本書の理論を一つ一つ現実世界に当てはめて考える習慣が必要だろう。

 

本書の後ろのあたりにサマリーがあるのは最後のまとめに使えて非常にありがたいです。